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この木何の木 第二回 絹川 晴彦

市民の森ながの

この木何の木?? 第二回 絹川 晴彦

季節も夏から秋に移り変わり、山々の木々も色づいてきました。

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第二回目は1回目のモミ属、トウヒ属、ツガ属に続いて、
下表の赤字で示した同じマツ科のマツ属とカラマツ属について説明します。

マツ科 モミ属 ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ
ツガ属 ツガ、コメツガ
トウヒ属 トウヒ
マツ属 アカマツ、ハイマツ、チョウセンゴヨウ、ゴヨウマツ、キタゴヨウ
カラマツ属 カラマツ
ヒノキ科 ヒノキ属 ヒノキ、サワラ
ネズコ属 ネズコ(クロベ)
ビャクシン属 ビャクシン、ネズミサシ
スギ科 スギ属 スギ
イチイ科 イチイ属 イチイ
カヤ属 チャボガヤ
イヌガヤ科 イヌガヤ属 ハイイヌガヤ

1. 属の同定

マツ属とカラマツ属はマツ科の中でも写典型的な針形の葉を持っています。 (針形葉の葉はこれら以外にもビャクシン属のネズミサシがあります) 葉は長枝と短枝についていますが、長枝には両方ともらせん状につきますが、 短枝へのつき方に大きな特徴があります。カラマツ属は写真1の様に20~30本の柔らかい針葉が短枝に束生します。しかし、マツ属は写真2の様に2~5本の針形葉をつけています。

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写真1 カラマツ属 写真2 マツ属

2. 種の同定

カラマツ属は日本国内ではカラマツ一種のみなので迷うことはありません。 又、カラマツは針葉樹の中では写真3の様に唯一黄葉する落葉樹です。
(他に公園や学校等に植栽されている中国原産のスギ科メタセコイア属のメタセコイアがあります)

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写真3 黄葉のカラマツ林

一方、マツ属には5種ありますが、針形葉の葉の数が種を区別するキーポイントです。マツ属には2葉生、3葉生、5葉生の3種類がありますが、3葉生は写真4のような中国原産のハクショー(別名:シロマツ)があり公園や神社に植えられていますが、 自然の森にはありません。4葉生の種はあまり聞いた事がありません。多分無いと思いますが。

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写真4 3葉生

従ってマツ属には写真5の様な2葉生のクロマツとアカマツの2種。 写真6の様な5葉生のゴヨウマツとキタゴヨウ(別名:ヒメコマツ)とチョウセンゴヨウとハイマツの4種となります。(クロマツは北信地域には自生しませんが、庭園等に多く植栽されているため含めました)

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写真5 2葉生 写真6 5葉生

2葉生

2葉生のアカマツとクロマツを区別する大きな特徴は名前の由来となっている樹皮の色です。アカマツは幹の上部が赤褐色をしていますが、クロマツは灰黒色です。 又、葉の作りもクロマツの方がやや大きく葉先を握った時痛く感じますが、アカマツは比較的柔らかいので痛く感じません。 分布の特徴については、クロマツは耐潮性が強く海岸の砂丘や崖地等に多く、アカマツは内陸部の山地帯を中心に分布しています。しかし、クロマツとアカマツの混在地域では雑種も多く見られますが、北信地域ではほとんどアカマツです。
(アカマツは生理的適地の範囲が広く競争相手がいなければ、写真7の様にわい性化して標高2000メートルの亜高山地域まで自生することがあります)

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写真7 わい性化したアカマツ群落

5葉生

5葉生のマツ属のうちキタゴヨウはゴヨウマツの変種で両者の違いは少なく、 外観上での判断は困難です。しかし、分布域は異なっています。(ゴヨウマツは西日本の山地帯から亜高山帯にかけて分布していますが、キタゴヨウは中部から東北地方の亜高山帯を中心に分布し、 北信地方の亜高山帯に分布するのはほとんどキタゴヨウです)従って、5葉生のマツ属は実質的にはキタゴヨウ、チョウセンゴヨウ、ハイマツの3種となります。これら3種を区別する第一のポイントは樹形です。チョウセンゴヨウとキタゴヨウは高木で明確な主幹が立ちます。(キタゴヨウは風衝地では低木になる場合もありますが主幹は明確です)しかし、ハイマツは写真8の様に主幹が不明確で枝が長く延びて地を這う樹形となります。

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写真8 ハイマツ群落
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写真9 球果 写真10 針形葉

第二のポイントは球果と葉の大きさです。写真9の左側のチョウセンゴヨウの球果は9~15cm、右側のキタゴヨウは6~11cmです。 又、葉も写真10の左側のチョウセンゴヨウは8~10cm、右側のキタゴヨウは5~8cmとなっています。

写真9と10の通りチョウセンゴヨウは5葉生マツ属で最大の球果と葉を持っています。その他の特徴としては、キタゴヨウとハイマツの種子の周りには小さな翼が認められますが、チョウセンゴヨウには翼がありません。 又、ハイマツの球果は成熟しても種鱗を開くことはありません。

このため、他のマツが風や重力による種子散布を行なうのに対して、ハイマツの種子散布はリスやホシガラス等の小動物により齧られた時落ちたものが芽生えられると言う動物散布となっています。

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