市民の森ながの

栗 (の実) 拾い競争 ― 猿の勝ちい ! ―

伊鍋 和治

私の実家に少しばかりの栗林がある。 兄が生存中は剪定したり消毒したりして相応の収獲があり、それなりの収入を得ていた様であったが、 他界した後は手入れをする者がなく自然の成り行きにまかせている。

したがって、秋になると猿と猪の格好の餌場になる。 猪は夜中に出て来て上手な拾い方(食い方)をして行く、猿は夜明けから群れになって来て木に登ったり拾ったり賑やかである。 人間様は朝日の昇る頃にようやくお出ましとなって彼らの取りこぼしを拾って来ることになる。こんな競争(?)を一昨年まで続けて来た。

ところが昨秋は、何故か猿がイガの笑み割れて落ちるのを待たないで (待ち切れなかったのか?)、まだ青いイガを小枝ごとへし折って隣の杉林へ持ち込み、若くて柔らかな味を堪能したらしい。 猪も無駄足と分かって出て来ていないようだった。そんなこととは思いもよらず人間様は、そろそろその時季だな? と思って出かけて見てビックリ、それこそ一粒も見ることが出来なかった。

この勝負 ? 、猿の勝ちい ! ? ! 。