COP17はやはり不調に終った。

IEA資料によると、2009年時点でのCO2排出国ランキングでは、中国(23.7%)、米国(17.9%)、

インド(5.5%)、ロシア(5.3%)、日本(3.8%)、ドイツ(2.6%)の順となっているが、国の規模が異なる

ため一概には判断できない。公平感のある国民一人当たりの排出量別で見るとこの順位は一変する。

米国16.9t/人、カナダ15.43t/人、ロシア10.8t/人、韓国10.57t/人、ドイツ9.16t/人、

日本8.58t/人、中国5.14t/人となっている。

米国とロシアの排出量が多いとは思っていたが、意外だったのはカナダ韓国が日本よりはるかに多く

また、環境優等生と思っていたドイツも日本より多い事でした。

更に、自国は発展途上国だから削減はしないと主張している中国が、日本の排出量の60%も出している。

しかも、排出量が今でも年率で8~9%増加しており、日本に追いつくのも遠くはないだろう。

皆さんはこの現実と各国の言い分をどの様に思われるのでしょうか?

すでに温暖化は始まっており、第一弾として気候が変わり始めているように思います。

今後、各国の合意により排出量が削減されても温度が下がるわけでは無く、増加が抑えられるだけです。

温暖化ガス排出量削減の取り組みは重要ですが、それ以上に今すぐ取り組みを始めなければならないのは、

温暖化適応対策ではないだろうか? 適応対策ならば自国で独自に進められ、各国の思惑で進展しない

排出制限より現実的で効果的な取り組みだと思います。

難しい世界的問題から話はガラッと変わって、ここからは我が家の温暖化対策の話になります。

我が家での暖房機のメインは石油ファンヒータであり、森大好き人間の私としては以前から何とかしたい

と思っていました。そこに温暖化防止対策の主力の原発が事故を起こし、政治家も官僚も学者も対処出来

ないことが判明しました。当面は原発から自然エネルギーへの転換が急務となり、個人レベルでも森林バイオ

マスエネルギーへの取り組みを進めねばと思ったのです。だが、その前に省エネ化対策も重要なので、

我が家の全ての窓の二重化をDIYで取り組みました。DIYと言ってもメジャーとプラスドライバー

1本で超簡単に出来てしまいました。

前置きが長くなりましたが、ここから本題のペレットストーブの話になります。

個人家庭での森林バイオマス活用では、やはり薪ストーブとペレットストーブが比較的実用化しやすい

のではないでしょうか。一昨年に薪ストーブは実施済みなので今回はペレットストーブに取り組みました。

私が参加している長野市林業振興専門分科会でも、森林バイオマス活用の重点施策として、ペレットス

トーブの普及を取り上げていますが思ったように普及が進んでいません。

今回ペレットに取り組んだ理由の一つは、普及を妨げている要因を実感として知りたかったからです。

ペレット導入における検討項目は、1.国内での稼働実績、2.故障やメンテナンスの対応、3.暖房能力、

4.狭い室内での設置性、5.価格としました。1項と2項は友人宅での稼働実績や特定非営利活動法人CO2

バンク推進機構の推奨機種を参考にイタリアのテルモロッシ社を選定しました。

さらに、機種選定にあたっては暖房対象エリアは90㎥であることから、日本向けに開発された一番小型の

ET-1000easy(暖房能力160㎥)としました。価格についても、多くのペレットストーブが

50万円以上するのに比べ、この機種は税込み27万5100円とかなり安価です。しかし、同社の

ペレットストーブは熱効率を上げるため、屋外に1m程度の煙突(一式47250円)が必要です。

以上送料を含めると総額33万2350円の出費です。(設置工事は勿論DIYが前提です)

我が家にとっては大型の設備投資になるため、財務大臣との交渉が行われ初期投資額とランニングコスト

が検討課題となりました。

ランニングコスト試算

基礎データ・・発熱量(灯油=10300㎉/㎏ ペレット=4000㎉/㎏)灯油の比重=0.8

価格 (灯油=109円/㎏  ペレット=45円/㎏)

我家の暖房設定温度は低めで灯油使用量は約54リットル/月で4700円/月の費用発生となります。

これを重量換算すると43.2kgとなり、総発熱量に換算すると445千㎉/月となり、これをペレットに

置き換えると111.3㎏/月の使用となり5006円/月の費用発生となります。

灯油との価格差は月当たり306円の増となります。

奥の手1

ペレットストーブ本体の購入に対しては、長野市森のエネルギー推進事業補助金に申し込み10万円

の交付を受けました。これで初期投資は実質23万2350円に低減されます。

奥の手2

ペレットストーブ新規設置者に対して、長野市地球温暖化防止活動推進センターでペレットストーブ

モニターを募集しおり、テスト用のペレット燃料を3ヵ月分(10㎏/袋×25袋/月×3ヵ月=

75袋)が無償提供される。これを利用して冬季4ヶ月の内3ヵ月分の燃料費用は0となりました。

上記の計画で承認されスタート。12月の初旬にペレットストーブの販売店に出向き、2日間にわたり

本体の分解、構造理解、燃焼テスト、温度分布の測定、煙突の設置手順等、DIYで設置するための勉強、

トレーニングに通いました。何とかできそうとの感触を得て、12月14日から設置台や壁穴工事を行い

16日にストーブ本体と煙突を接続し無事工事は完了した。ペレット燃料をホッパーに充填後電源を投入し、

風量釦と燃焼釦を押してスタート。26分間の起動モードを経て運転モードに入り快調に燃焼を開始した。

これで2011年の我が家のエコ活動は一段落。さて来年は何処に手を付けるか?????

image003

内部構造

image005

煙突

image001

快調に燃焼中