市民の森ながの

猿と共生 ― 人間様檻 ? に入る ―

伊鍋 和治

実家の栗林に沿って旧中仙道(現在町道)が通っている。シーズンにはトレッキング客が賑やかに通ることがある。この町道を中にはさんで一人暮らしのおばあさん(実家の隣家)が居る。

実りの時季になると猿の一群が我が物顔で栗の木に群れる。おばあさんは見兼ねて空き缶をたたいたり、ロケット花火を打ち上げたり、 爆竹を鳴らしたり追い払いに涙ぐましい努力をしてくれている。

猿はその一つ一つを体験学習して、この頃は何をしても一瞬顔を向けるだけで逃げなくなってしまったという。 腹に据え兼ねて、日頃愛用している杖を振りかざしたところ、ボス猿に歯をむき出して威嚇され、それ以来猿のお出ましの時は怖くて外へ出られなくなってしまったという。

おばあさんは、そのうちに猿が家の中まで入り込むのではないかと心配になり、 家の周りに猿よけの柵を作ってくれるよう役場へ要望したそうである。

猿に追われて人間様が檻(柵)の中で生活しなければならなくなっているというのに、
何故捕殺出来ないのだろうか ?
犬の放し飼いすらしてはいけないのだろうか ?
これが野生動物愛護家の方々がおっしゃる「共生」だろうか ?

なぬ ?そんな所の栗林を猿に解放している者が悪い ? ? ?
風向きがこちらに変って来そうな気配がする。