市民の森ながの
炭焼窯跡を見つけた 2007年6月24日(日) 樋口 秀郎
6月24日は市民の森の整備作業の日だ。この日N地区の刈払い作業中、ブッシュの中の窪地で石積みの露頭を発見した。 窪地全体を丁寧に刈払い露頭の周りの土を慎重に取り除いていくと、石積みの全貌が現れ、やがて炭窯跡が姿を現した。(写真参照)
およそ1回8俵(1俵入)以上は生産したであろう石窯の跡と推定される。
炭窯には石窯と土窯がある。 石窯は白炭(しろずみ)あるいは堅炭(かたずみ)と呼ばれ(た?)炭同士を叩くと金属音が発する堅い木炭が、 土窯は黒炭(くろずみ)あるいは土窯炭(どがまずみ)と呼ばれ(た?)手を触れると黒く粉炭がつくような比較的柔らかい木炭が生産される。
市民の森のある一帯の山々はかつては里山として薪炭や用材の生産が活発で、20~30年のサイクルで炭窯から立ちのぼる煙が見られたはずである。しかし、昭和40年頃から家庭用はじめ各種燃料は石油製品に取って代わられ、さらに加えて電気製品が陸続と出現したことにより、薪炭の需要は急速に減少した結果、 炭焼き稼業は生業として成り立たなくなり、炭焼き窯の煙は里山から消え去り、わずかに観光用として生き残っているのが精一杯というところである(スパイラル入口手前約100メートルの道路端に観光用の石窯一基が稼働している)。
この窯跡は散策コースの大池が見える平坦地のコース脇にあります。